質問05

Q
私は*****と申します。公開される場合は、匿名でよろしくお願いいたします。
 ニフティで検索し、足立先生の事を知りました。規定については、了解いたしております。

 私の**歳の父の事でご相談いたします。
父は現在、心アミロイドーシス(AL型)の病気の為、*****病院に掛かっています。去年の*月に会社で受けた健康診断がきっかけで、心陰影拡大と心筋障害が見つかり、精密検査を改めて受け、心臓肥大と肺に水が溜まっている事がわかりました。

そこで、紹介を受け、*月に*****病院にてカテーテル検査と心筋生検、心筋シンチグラフィの検査を受けた結果、心アミロイドーシスと診断されました。

 診断を受けた去年の*月に比べて、現在、アミロイドーシスの心臓への付着がかなり進んでいるようです。甲状腺の検査で異常は無かったのですが、声のかすれもあり、たんも出ています。

又、肝臓の数値も上がってきていますし、肺の水も溜まってきているようです。その為、それ迄服用していた、レニベーゼ5とメインテートに加えて、最近では、利尿剤も服用し、バソレーターテープを24時間ごとに貼りかえています。

 しかし、現在のお薬では、病気の根本であるアミロイドーシス自体を治す事は出来ないと先生にハッキリ言われ、だけど、とりあえずは、今のところ、本人も不調を訴えず、普通に生活しているのだから、入院させる事もなく、家でゆっくりさせる事を進められ、今は、検診日のみ病院に行っています。

 心アミロイドーシスと言う聞き慣れない病名に、私自身も、本やインターネットから色々調べてみたのですが、やはり、どれも予後が不良と書かれているものが多く、大変ショックを受けている状態です。そんな中、足立先生のホームページを拝見し、是非とも、先生のご見解をお聞きしたく思い、わらをもつかむ思いで、早速メールさせて頂きました。

質問内容は以下の通りです。

 1治療方法は本当に無いのか?
 2心臓移植は出来ないのか?
 3心アミロイドーシスは発病から平均寿命が約2年と言われているが?
 4専門的に治療をしている病院はないのか?(インターネットで信州大学病院が出ていたが?)
 5今後、この病気で気を付けないといけない点は?(食事 等)
 6もし、ご存知であれば、プロポリス(自然食品)が免疫力を高めるという事で飲ませようかと考えているのだが、心臓には負担にならないのか?

 質問は以上です。長々とメールをしてしまい申し訳ございません。大変お忙しいとは存知あげますが、何卒、宜しくお願いいたします。 
A

「インターネット病気個別ご相談」お答えします。

お父様が大変珍しい、しかも難病とのお話を聞かれてさぞ戸惑われておられるのではないかとご心中お察し申し上げます。

「アミロイドーシス」は「アミロイド」という水に溶けにくい物質がいろいろな臓器や組織に沈着して悪さをする病気です。水に溶けにくいので一旦沈着してしまうとなかなか治りにくいのです。

「アミロイドーシス」と言っても、その原因になる「アミロイド物質」にいろいろなものがありますので病気もたくさんの種類があります。以前私はそのうちの「FAP」という日本人やポルトガル人で数百人ほどの大変珍しい種類の「アミロイドーシス」を専門に研究をしていたことがあるので少しその話を入れます。

当時、私は「FAP」の患者さんの組織中のアミロイド物質は「プロナーゼ」や「ブロメライン」という蛋白分解酵素に溶けやすいことを発見し、蛋白分解酵素の一部は分子量が大きくても消化管から吸収される研究報告があることから、これらを飲むことによって、もしかして治療に役立たないかと考えました。

この研究結果は当時、「Journal of Neurological Science」や「Clinical Neuropharmacology」といった外国の雑誌の査読(専門の雑誌に掲載の価値がある良い論文かどうかを何人かの専門家が厳重に検討することです)ではいくつかの投稿をすべて結構すんなりと受け付けてくれてました。

それで、研究結果のまとめは下記に書いておきました。

「Adachi N. : Current and proposed treatment of familial amyloidotic
 polyneuropathy
  Clinical Neuropharmacology vol.12, No.6 pp.506-513,
              1989 Raven Press,Ltd., New York」

「ブロメライン」は果物のパイナップルにたくさん入っている物質ですし、「プロナーゼ」は慢性副鼻腔炎(いわゆる「蓄膿(ちくのう)」のことです)で膿みをきれいにしたり、や気管支炎などの痰の切れを良くする薬として今でも厚生労働省の保険診療上も認められており、科研薬品という会社から「エンピナースピー」という商品名で一般の病院で使えるように販売されています。
「プロナーゼ」は口から飲んで効くと考えられているのですから分子量の大きい蛋白分解酵素であっても消化管から吸収して効果が発揮すると考えられているのでしょう。

スジの多い硬いビーフステーキの上に缶詰ではない本物の生のパイナップルを乗せて調理して食べるととても柔らかくなるように私自身は感じていますが皆様は如何でしょうか?

上記の研究はすべて実験室の中での実験だけです。

ですから、「パイナップルをたくさん食べたらアミロイドーシスが治る」などとはもちろん決して断言できません。

パイナップルの食べすぎで返って病気を悪くする可能性もありますので、「アミロイドーシス」の患者さんは決して自己判断で試したりしないで下さい。
また、「エンピナースピー」は主治医の診断と判断無しには処方が出ませんしたとえ主治医の先生から許可が得られたとしても「FAP」に対しては厚生労働省から許可が出ませんので保険が通りません。

新しい治療法を実際に試すのには副作用が出たり、効いたのか効かなかったのかあとになって判断が難しくなってしまったりすることがありますので専門家がたくさん集まって大掛かりにしかも緻密に予定を組んで、しかも、とても慎重に研究を行う必要があるのです。

私自身は「アミロイドーシス」に対する上記治療法を患者さんに試して慎重に検討する必要があるとは思いつつ、大学を離れましたのでその後研究は進めていません。

なお、現在は「FAP」という種類のアミロイドーシスには主に肝臓移植が行われていますが患者さんやご家族の方々にとっては、仕方が無いとはいえ、実際は、大変なご負担なのではないかと案じていますが本当のところはどうなのでしょうか?

長々と横道に逸れましたが、以下ご質問者への回答です。

1.免疫抑制剤などの薬物療法が試されていますが効果は不明で確立された治療法はありません。私の提唱した薬物療法も「今日の治療指針」などで勧めてくれる人もいますが実際に治験(効果があるかどうか患者さんに試して調べること)が本格的に行われたことは無いようで研究は進んでいません。

2.海外では症状の重い心臓アミロイドーシスに対して心臓移植が試されたことがありますが、移植後数年で再度アミロイドの沈着が始まり、心臓以外の病気も進むので結果はあまり良くなかったそうです。

また、別の病気である「FAP」という種類のアミロイドーシスでは肝臓移植がよく行われますが心筋へのアミロイド物質の沈着はどうしてもそのまま進行することが多いようです。

3.「心アミロイドーシス」の場合、心不全症状出現後の平均生存期間は約***との報告もあります。但し、これは個々の患者さんによって随分と違いがありますので一概には言えません。

4.ご質問者がご指摘のように、信州大学医療技術短期大学の本郷実教授(内科)が「心アミロイドーシス」の専門家です。最近はお会いすることもほとんどありませんが以前は私も何度かお話したことがありますので多分覚えておられると思います。
しかし、現在かかっておられる施設で心生検まで含めてしっかりと検査を受けておられるので診断が違っている可能性はほとんど考えられませんし、治療に関してもとても丁寧に行って下さっているようなのでセカンドオピニオンを受けに行かれる意味があまりないかもしれません。もしかしたら最新の情報が入る可能性が全く無いとも言えませんが。

5.塩分の制限はとりわけ重要です。その他は暴飲暴食などを避け、いろいろな種類の食べ物を少しずつ食べるなど一般的な注意となります。

6.ブラジル産のユーカリを主原料とした精度の高いプロポリスの場合、慢性気管支炎の患者さんなどに免疫力増強効果をしばしば経験しますが、心アミロイドーシスに対する効果については申し訳ありませんが経験がなくて分かりません。

プロポリスの副作用としては日本国内での文献では紅皮症など皮膚の障害が主で心臓への副作用について述べたものは見当たりませんでしたので比較的安全と考えられますが、こればかりは無いと断言出来ません。
主治医の先生と相談しながら慎重に検討すべきです。

\ 最新情報をチェック /

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

未分類

前の記事

質問04